クマバチのフワフワは危険?特徴から生態、巣の駆除方法まで徹底解説!
春から夏にかけて、ブンブンと大きな羽音を立てて飛ぶ黒くて丸いハチを見かけることはありませんか?その姿から「クマバチ」と呼ばれ、一見すると怖そうな印象を持つ方もいるかもしれません。しかし、実はクマバチは、その見た目に反して非常に温厚な性格のハチなんです。
今回は、そんなクマバチの知られざる特徴や生態、そしてもし自宅の周りに巣を作ってしまった場合の安全な対処法まで、詳しく解説していきます!
クマバチの意外な特徴と生態
「クマバチ」という呼び名が一般的ですが、正式名称は「キムネクマバチ」と言います。その名前の通り、胸元に黄色い毛が生えているのが特徴です。
見た目の特徴
- 体長: 約20mm~28mmと大型のハチです。
- 体色: 全体が黒く、胸部には鮮やかな黄色の毛が密集しています。このフワフワした毛が、クマのような可愛らしい印象を与えます。
- 羽音: 非常に大きく、「ブンブン」という低い羽音を立てて飛びます。この大きな羽音が、怖がられる一因かもしれません。
危険性は極めて低い!その理由とは?
クマバチは、その大きな体と羽音から獰猛なハチだと誤解されがちですが、実は人間に対して攻撃性はほとんどありません。
- オスは針を持たない: 飛び回っているクマバチの多くはオスで、オスは針自体を持っていません。そのため、刺される心配は全くありません。
- メスは巣を守る時以外は温厚: 針を持つのはメスだけですが、メスも基本的には非常に温厚です。よほどのことがない限り、自ら積極的に人を刺すことはありません。刺すのは、素手で捕まえようとしたり、巣を直接攻撃したりするなど、自分の命や巣に危険が迫ったと感じた時だけです。
ミツバチやスズメバチのように集団で攻撃してくることはなく、単独で行動することがほとんどです。そのため、万が一刺されたとしても、アナフィラキシーショックなどを起こさない限り、命に関わるような重篤な事態に陥る可能性は低いと言えます。
どんなところに巣を作るの?
クマバチは、スズメバチのように開放的な場所に大きな巣を作ることはありません。彼らは、木材に穴を掘って巣を作る習性があります。
- 枯れ木や木材: 朽ちかけた木の幹、庭の木材、木造の軒下、ベランダの木製の手すり、古い柱、使われていない木製の電柱などに、丸い穴を掘って巣を作ります。
- 単独で巣作り: 基本的に一匹のメスが巣を作り、そこで卵を産み育てます。スズメバチのような大規模な集団生活はしません。
クマバチの巣穴は、直径1.5cmほどの丸い穴が特徴です。
益虫としての役割
クマバチは、植物の受粉に貢献する益虫としても知られています。特に、ストローのように長い口吻を持っているため、マルハナバチなどと一緒に、他のハチでは受粉が難しいと言われるツツジや藤の花などの蜜を集めることができます。私たちの生活環境にとっても、大切な役割を担っているハチなのです。
クマバチの巣の駆除方法と注意点
クマバチは温厚とはいえ、家の周りに巣を作られてしまうと、木材の被害が心配になったり、アレルギー体質の方がいたりすると不安を感じるものです。基本的には放置しても大丈夫ですが、気になる場合は以下の方法を参考にしてください。
1. 基本は刺激しない!
クマバチが飛んでいても、手で払ったり、大きな音を立てたりして刺激しないことが一番大切です。そっとしておけば、ほとんどの場合、刺されることはありません。
2. 個人で駆除する場合
巣が初期段階で小さい場合や、手の届く範囲であれば、個人での駆除も可能です。
- 準備するもの:
- 厚手の長袖、長ズボン、手袋、帽子、顔を覆うもの(ゴーグルやタオルなど)
- 市販のハチ用殺虫スプレー(速効性の高いもの)
- 穴を塞ぐための木工パテや板など
- 駆除に適した時間帯: クマバチが巣に戻っている夕方から夜間が最も安全です。活動が鈍くなっているので、駆除しやすいでしょう。
- 駆除手順:
- 巣穴から少し離れた場所から、殺虫スプレーを巣穴に直接噴射します。
- 巣穴からクマバチが出てこなくなったら、念のため数分放置します。
- 巣穴を木工パテや板などでしっかりと塞ぎます。これにより、再び利用されるのを防ぎ、中に残っていたハチも出てこられなくなります。
【重要!】
- 巣穴に顔を近づけないこと。
- 無理だと思ったらすぐに中止し、専門業者に依頼すること。
- 不安な場合は、最初から専門業者に相談することを強く推奨します。
3. 専門業者に依頼する場合
巣の場所が高所にある、巣穴が複数ある、駆除に不安がある、アレルギー体質の人がいるなどの場合は、無理せずハチ駆除の専門業者に依頼しましょう。プロは適切な装備と知識で安全かつ確実に駆除してくれます。
クマバチを寄せ付けないための予防策
新たに巣を作られないようにするための予防策も大切です。
1. 木材のメンテナンス
クマバチは朽ちかけた木材を好みます。
- 塗装や補修: 軒下やウッドデッキなど、木製の部分に塗装を施したり、ひび割れや隙間を補修したりすることで、クマバチが穴を掘りにくくなります。
- 防腐剤の塗布: 木材保護塗料や防腐剤を塗布するのも有効です。
2. 定期的なチェック
特に春先から夏にかけて、庭や家の周りの木材に不自然な丸い穴が開いていないか、定期的にチェックする習慣をつけましょう。早期発見できれば、被害が大きくなる前に対応できます。
3. 殺虫スプレーの活用
ハチ用の殺虫スプレーには、巣作りを予防する効果があるものもあります。クマバチが巣を作りそうな場所に、予防的にスプレーしておくのも良いでしょう。
まとめ:クマバチは怖くない!正しい知識で共存を
大きな体と羽音で誤解されがちなクマバチですが、そのほとんどは人間を襲わない温厚なハチです。むやみに怖がらず、特徴や生態を正しく理解することが大切です。
もし巣を作られても、今回ご紹介した駆除方法や予防策を参考に、冷静に対処しましょう。無理はせず、危険を感じたら迷わず専門業者に相談してください。正しい知識を持って、クマバチと上手に共存していきましょう。