カナブンとコガネムシ、どこが違う?見分け方と知っておきたいこと


夏の昆虫採集や庭仕事中、「これ、カナブン?それともコガネムシ?」と迷った経験はありませんか?どちらも金属光沢を持つ昆虫で、よく似ているため見分けがつきにくいと感じる方も多いかもしれません。しかし、よく観察すると明確な違いがあり、さらに「どちらが害虫なのか?」という点でも大きな違いがあるんです。

今回は、カナブンとコガネムシの正確な見分け方から、それぞれの生態、そして庭や畑での「困り度」まで、徹底的に解説します。これを知れば、あなたも今日から昆虫識別の達人になれるはずですよ!


カナブンとコガネムシ、ここを見ればわかる!見分け方の決定版

カナブンとコガネムシを見分けるには、いくつかのポイントがあります。これさえ押さえれば、もう迷うことはありません!

1. 体の「形」と「光沢」に注目!

  • カナブン:
    • 体全体が平たくてずんぐりとした印象。カブトムシをギュッと押しつぶしたような形をしています。
    • 全体的に強い金属光沢があり、緑色や青銅色に輝くことが多いです。光沢は滑らかで、まるで磨かれた金属のよう。
  • コガネムシ:
    • カナブンに比べて、体が丸みを帯びていて、やや細長い印象です。
    • 金属光沢はありますが、カナブンほどギラギラしておらず、鈍い光沢であることが多いです。表面に細かな点刻(てんこく)やざらつきがあることも。色は緑色の他にも、赤銅色、褐色など様々です。

2. 飛ぶときの「羽の動き」が違う!

これが最も分かりやすい見分け方かもしれません。

  • カナブン:
    • 飛ぶ時に、前羽(硬い方の羽)を開かずに、お腹の下にある薄い後羽だけを使って飛びます。そのため、姿勢が安定しており、直線的に飛ぶのが特徴です。ブーンという羽音も特徴的。
  • コガネムシ:
    • 飛ぶ時に、前羽を大きく開いて飛びます。飛ぶ姿勢は不安定で、ふらふらと不器用に飛んでいるように見えます。飛んでいる姿は、まるで小さなカブトムシのようにも見えます。

3. 「触角」の先を見てみよう!

これは少し細かいですが、確実に判別できるポイントです。

  • カナブン:
    • 触角の先端が、まるで扇子のようにギザギザと広がっています。
  • コガネムシ:
    • 触角の先端は、カナブンと同じくギザギザと広がっていますが、カナブンほど顕著ではなく、少し丸みを帯びています。

4. 主な「活動場所」もヒントに

どこで見かけたか、も推測のヒントになります。

  • カナブン:
    • 主に樹液を求めて樹木に集まります。クヌギやコナラといった樹液が出る木にいることが多いです。
  • コガネムシ:
    • 幼虫は土の中にいて、植物の根を食べて育ちます。成虫は、葉っぱや花を食べていることが多いです。庭の植物や畑などでよく見かけます。

生態を知ろう!カナブンとコガネムシのライフサイクル

それぞれの昆虫の生態を知ることで、その行動や影響がより理解できます。

カナブンの生態

  • 分類: コガネムシ科ハナムグリ亜科に属します。
  • 成虫の活動時期: 主に7月〜9月頃
  • 食性: 成虫は樹液を主食とします。特に甘い樹液を好み、カブトムシやクワガタと樹液を巡って争うこともあります。
  • 幼虫の食性: 幼虫は腐葉土や朽ち木などを食べて育ちます。植物の根を食べることはほとんどありません。
  • 寿命: 成虫になってからの寿命は比較的短く、数週間程度です。
  • 特徴: スズメバチに似た羽音を出すことがあり、驚かれることもあります。

コガネムシの生態

  • 分類: コガネムシ科コガネムシ亜科に属します。
  • 成虫の活動時期: 主に5月〜9月頃
  • 食性: 成虫は植物の葉や花、果実などを食べます。バラ、ブドウ、果樹、野菜など様々な植物を食害します。
  • 幼虫の食性: 幼虫(いわゆるジムシ)は土の中に生息し、植物の根を食害します。芝生や野菜の根を食い荒らすため、植物に大きな被害を与えることがあります。
  • 寿命: 成虫になってからの寿命はカナブンと同様に比較的短いです。

害虫はどっち?庭や畑での「困り度」

さて、一番気になるのは「どちらが害虫なのか?」という点ですよね。

「カナブン」は基本的に「益虫」または「無害」

カナブンは、成虫が樹液を食べるため、農作物に直接的な被害を与えることはほとんどありません。また、幼虫も腐葉土を食べるため、土壌の分解を助けるという点で**「益虫」**と見なされることが多いです。庭の植物を荒らす心配はほとんどありませんので、見かけてもそっとしておいて大丈夫です。

「コガネムシ」は「害虫」!特に幼虫に注意

一方で、コガネムシは、成虫も幼虫も植物に被害を与える**「害虫」**です。

  • 成虫の被害:
    • バラの葉を食い荒らす「バラコガネ」、ブドウの葉や実を食害する「ブドウコガネ」など、特定の植物に特化して食害する種類もいます。
    • 葉っぱを網目状にしたり、花びらをボロボロにしたりと、観賞用植物の見た目を損ねることがあります。
  • 幼虫の被害(深刻!):
    • 土の中に潜む幼虫は、芝生の根を食い荒らして枯らしたり、野菜の根を食べて生育を妨げたりします。
    • 幼虫は見た目も不気味で、大量発生すると畑や庭に壊滅的な被害をもたらすこともあります。

つまり、庭や畑で植物への被害を心配するなら、警戒すべきはコガネムシということになります。


コガネムシの被害を防ぐための対策

コガネムシが害虫であることが分かったところで、具体的な対策についても触れておきましょう。

成虫対策

  • 見つけたら捕殺: 大量発生していなければ、手で捕まえて駆除するのが最も確実です。見つけ次第、捕殺しましょう。
  • 物理的防除: 大切な植物には、防虫ネットをかけることで、成虫の飛来を防ぐことができます。
  • 誘引剤・トラップ: 市販のコガネムシ用誘引剤やトラップを設置することも有効です。

幼虫対策(重要!)

幼虫は土の中にいるため発見が難しく、被害が深刻になりがちです。

  • 土の入れ替え: 被害が大きい場合は、土を入れ替えるのが有効です。
  • 薬剤散布: 園芸店などで購入できる幼虫駆除用の殺虫剤(粒剤など)を土に散布する方法もあります。使用方法をよく確認して、安全に配慮して使いましょう。
  • 堆肥の管理: コガネムシは堆肥の中に産卵することがあります。自家製堆肥を作る際は、十分に発酵させてから使用しましょう。
  • 天敵を活用: コガネムシの幼虫を食べる鳥(ムクドリなど)やカエル、一部の昆虫なども天敵となります。

まとめ:正しく見分けて、自然と賢く付き合おう!

カナブンとコガネムシは一見似ていますが、その生態や行動には大きな違いがあります。

  • カナブン平たく、強い金属光沢、前羽を開かずに飛ぶ。主に樹液を吸う「益虫」。
  • コガネムシ丸みがあり、鈍い光沢、前羽を開いてふらふら飛ぶ。成虫は葉や花、幼虫は根を食べる「害虫」。

見分け方をマスターすることで、無害なカナブンを不用意に駆除することなく、本当に警戒すべきコガネムシに対して適切な対策をとることができます。今年の夏は、この知識を活かして、庭や畑の昆虫たちと賢く付き合っていきましょう!

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