【弔電完全ガイド】故人への想いを届ける 心のこもったお悔やみ電報の送り方・文例集
大切な方が旅立たれた時、すぐに駆けつけることができない状況でも、故人への感謝や哀悼の意、そしてご遺族への心遣いを伝えることができるのが「弔電(ちょうでん)」です。しかし、「どんな言葉を選べばいいの?」「マナーは?」と、いざ送るとなると悩んでしまう方も少なくないでしょう。
この記事では、弔電を送る際の基本的なマナーから、相手別の心温まる文例、そして送るタイミングまで、弔電に関するあらゆる疑問を解消します。故人への最後のメッセージを、あなたの心からの言葉で届けられるよう、ぜひ参考にしてくださいね。
1. 弔電ってどんな時に送るの? 大切な役割とマナー
弔電は、葬儀や告別式に参列できない場合に、弔意(故人を悼む気持ち)を伝えるために送る電報のことです。
1-1. 弔電を送るタイミングは?
弔電は、葬儀や告別式が始まる前までに届くように手配するのが一般的です。通夜に間に合わせる必要はありませんが、告別式で読み上げられることを考慮すると、前日の通夜の時間帯、遅くとも告別式の開式までには届いているのが理想的です。
訃報を受けたら、できるだけ早く手配しましょう。
1-2. 弔電の宛名と差出人の書き方
宛名:
弔電は喪主(葬儀の責任者)宛てに送るのが基本です。喪主の名前が分からない場合は、「〇〇(故人の氏名)様ご遺族様」や「〇〇(故人の氏名)様 御逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます」といった形で送ることも可能です。
故人の氏名には、必ず敬称をつけます。
ご尊父様(父)
ご母堂様(母)
ご主人様(夫)
ご令室様(妻)
ご子息様(息子)
ご令嬢様(娘)
〇〇様(親戚・友人・知人など、一般的な場合)
差出人:
あなたの氏名と、必要であれば故人との関係性(例:株式会社〇〇 代表取締役 〇〇〇〇、〇〇高校同窓生 〇〇〇〇)を明確に記載しましょう。
1-3. 弔電の送り方:どこに頼む?
弔電は主に以下のサービスで送ることができます。
NTT(電報): 最も一般的で信頼性の高いサービスです。電話やインターネットから申し込めます。
インターネット電報サービス: 複数社が提供しており、様々な台紙やデザイン、文字数のプランがあります。
郵便局(レタックス): 手紙形式の電報で、文字数が多い場合や写真などを添えたい場合に便利です。
【ポイント】
弔電を送る際には、葬儀会場の名称と住所、そして故人の氏名を正確に伝えることが重要です。
2. 弔電の文例集:想いを伝える言葉選びのヒント
弔電のメッセージは、故人への哀悼の意とご遺族への慰めの気持ちを伝えることが大切です。宗派によって使ってはいけない言葉もあるため、注意が必要です。
2-1. 宗教・宗派別の注意点
仏式の場合: 「ご冥福をお祈りいたします」「成仏されますよう」などは一般的な表現ですが、浄土真宗では死後すぐに成仏すると考えられているため、「ご冥福をお祈りいたします」は避けるべきとされています。代わりに「心よりお悔やみ申し上げます」などを用いましょう。
神式・キリスト教式の場合: 「ご冥福」「成仏」は仏教用語なので使いません。「安らかなお眠りをお祈りいたします」「安らかに天に召されますよう」などの表現が適切です。
無宗教の場合: 宗教色のない一般的な言葉を選びましょう。「安らかなる旅立ちをお祈り申し上げます」などが無難です。
迷った場合は、宗派を問わず使える汎用的な表現を選ぶのが賢明です。
2-2. 親戚・身内への文例(故人との関係が近い場合)
【例文1:故人が祖父母の場合】
「〇〇(祖父/祖母)様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
いつも優しく見守ってくださった〇〇様の笑顔が忘れられません。
安らかなご永眠を心よりお祈り申し上げます。
どうかお力を落とされませんよう、ご自愛くださいませ。」
【例文2:故人が伯父・伯母、叔父・叔母の場合】
「〇〇(伯父/叔父)様のご逝去の報に接し、ただただ驚いております。
在りし日のお姿を偲び、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
ご家族の皆様には、心ばかりのお悔やみを申し上げますとともに、どうぞお体を大切になさってください。」
【ポイント】
故人との具体的な思い出や、感謝の気持ちを短く添えることで、よりパーソナルなメッセージになります。
2-3. 友人・知人への文例(故人が友人、友人の家族の場合)
【例文3:故人が友人・恩師の場合】
「〇〇(故人の氏名)さんの突然の訃報に接し、悲しみにたえません。
在りし日の〇〇さんとの楽しい思い出が今も鮮明に心に焼き付いております。
心よりご冥福をお祈りいたします。
ご遺族の皆様には、この深い悲しみの中、どうぞご無理なさらないようお祈り申し上げます。」
【例文4:友人のご家族の場合】
「〇〇様(ご友人の氏名)のご尊父様(ご母堂様)のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
〇〇様のお気持ちを察するに、胸が締め付けられる思いです。
どうぞお力を落とされませんよう、ご無理なさらないでください。
安らかなご永眠を心よりお祈り申し上げます。」
【ポイント】
故人との関係性に応じて、親しみを込めた言葉を選びましょう。ご遺族への配慮も忘れずに。
2-4. 会社関係・取引先への文例(故人が上司・同僚、取引先の方の場合)
【例文5:故人が上司・同僚の場合】
「〇〇部長(故人の氏名)のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
在りし日のご功績と、皆様に慕われたお人柄を偲び、誠に残念でなりません。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
ご遺族の皆様には、心よりお悔やみ申し上げますとともに、どうかご無理なさらないでください。」
【例文6:故人が取引先の方の場合】
「〇〇株式会社 〇〇様のご逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します。
在りし日のご厚情に深く感謝いたしますとともに、ご功績を偲び、衷心よりお悔やみ申し上げます。
ご遺族の皆様、並びに社員ご一同様のご心痛はいかばかりかとお察しいたします。
ご生前のご厚情に深く感謝申し上げますとともに、安らかなるご永眠を心よりお祈りいたします。」
【ポイント】
会社関係の場合は、敬意を払い、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。故人の功績に触れるのも良いでしょう。
2-5. 汎用的な文例(宗派を問わない、シンプルなメッセージ)
【例文7:どのような場合でも使える】
「〇〇様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。
安らかなるご永眠を心よりお祈りいたします。
ご遺族の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。」
【ポイント】
宗派が不明な場合や、簡潔に弔意を伝えたい場合に適しています。
3. 弔電を作成する際の注意点:トラブル回避と心遣い
弔電を送る際には、言葉選び以外にもいくつかの注意点があります。
3-1. 忌み言葉・重ね言葉を避ける
お祝い事と同様に、弔事にもふさわしくない「忌み言葉」や、不幸が重なることを連想させる「重ね言葉」があります。
忌み言葉の例: 「たびたび」「重ね重ね」「繰り返し」「続いて」「追って」「くれぐれも」「死亡」「ご生存中」など
宗派によるタブー: 前述の通り、「ご冥福」「成仏」は仏教用語なので、宗派が不明な場合は避けるのが無難です。
3-2. 句読点を使用しない
弔電では、句読点(、や。)を使用しないのが慣例です。これは、「滞りなく葬儀が進むように」という願いが込められていると言われています。スペースを空けたり、改行したりして読みやすさを工夫しましょう。
3-3. 文字数と料金
弔電は文字数によって料金が変わるのが一般的です。予算と伝えたい内容を考慮して、適切な文字数を選びましょう。インターネット電報サービスなどでは、文字数に応じた料金プランが用意されています。
3-4. 台紙選びのポイント
弔電の台紙は、シンプルなものから、花や線香がセットになったものまで様々です。
故人の好きだった花: もし故人が好きだった花や色を知っていれば、それに合わせた台紙を選ぶのも良いでしょう。
宗教に合わせたデザイン: 仏教であれば蓮の花、キリスト教であれば十字架など、宗教に合わせたデザインを選ぶこともできます。
シンプルなデザイン: 迷った場合は、白や淡い色のシンプルな台紙を選べば間違いありません。
4. まとめ:故人への感謝とご遺族への配慮を込めて
弔電は、遠方からでも故人を偲び、ご遺族に寄り添う気持ちを伝えるための大切な手段です。送るタイミングやマナー、言葉選びに気を配ることで、あなたの心からのメッセージがきっと届くはずです。
この記事が、大切な方への最後のメッセージを送る一助となれば幸いです。