【失礼ゼロ】弔電へのお礼、どうすればいい?勤め先・取引先への感謝の伝え方
ご家族の訃報に際し、深い悲しみの中、心温まる弔電を受け取られたことと思います。特に、お世話になっている勤め先や大切な取引先からの弔電は、「こんな時まで気にかけてくださった」と、その心遣いが身に染みるものです。
しかし、「弔電へのお礼って、どうすればいいの?」
「忙しいのに、すぐに返事しなきゃいけない?」
「失礼なく感謝を伝えたいけど、マナーが分からない…」
と、戸惑ってしまう方も少なくありません。慣れない状況で、このような疑問や不安を抱えるのは当然のことです。
この記事では、弔電へのお礼の基本マナーから、勤め先や取引先への具体的な感謝の伝え方、タイミング、そして押さえておきたい注意点までを徹底解説します。大切な方々へ、あなたの感謝の気持ちをきちんと届けましょう。
なぜ弔電へのお礼が大切なの?
弔電は、多忙な中、故人様への哀悼の意とご遺族への配慮を示してくださった、深い心遣いの証です。
1. 相手の心遣いへの「感謝」を示すため
弔電を送ってくださった方は、あなたの状況を気遣い、「何か力になりたい」という思いから行動してくださっています。その心遣いに感謝を伝えることは、人としての礼儀であり、今後の良好な関係を築く上で非常に重要です。
2. 葬儀が無事終わったことの「報告」を兼ねるため
お礼の連絡は、弔電をくださった方へ、葬儀が滞りなく執り行われたことを間接的に伝える機会にもなります。相手も「どうしているかな」と気にかけているかもしれません。
3. 良好な人間関係・ビジネス関係を「維持」するため
特に勤め先や取引先に対しては、日頃の感謝と共に、今後も変わらぬ関係をお願いする意味合いも含まれます。社会人としてのマナーを守ることで、信頼関係をさらに深めることができます。
弔電へのお礼はいつ、どうする?基本のマナー
弔電へのお礼は、香典返しとは少し異なります。
1. お礼のタイミング
四十九日法要後(忌明け)が一般的:
弔電へのお礼は、四十九日の忌明け後に送るのが一般的です。葬儀直後は何かと忙しく、心身ともに疲弊している時期なので、無理にすぐに連絡する必要はありません。
香典返しと同時に行うことが多く、手紙や挨拶状に「弔電へのお礼」の旨を添える形がスマートです。
すぐに伝えたい場合:
特にお世話になった方や、弔電以外に香典や供花・供物をいただいた方には、葬儀後落ち着いてから、まず電話やメールで一言お礼を伝えても良いでしょう。
その際も、「取り急ぎ、お礼のご連絡をさせて頂きました。改めて、後日ご挨拶させていただきます」など、丁寧な言葉を添えましょう。
2. お礼の方法
お礼状(挨拶状):
最も丁寧な方法です。香典返しに添えるのが一般的ですが、弔電のみの方には単独で送ります。
句読点を使用しないのが葬儀関連の挨拶状のマナーです。
時候の挨拶は不要で、簡潔に感謝の気持ちを伝えます。
例文は後述します。
電話:
親しい間柄や、すぐに感謝を伝えたい場合に適しています。
相手の都合の良い時間帯を選び、簡潔にお礼を伝えましょう。長話は避けましょう。
メール:
勤め先や親しい取引先で、普段からメールでのやり取りが多い関係性であれば許容されます。
ただし、より丁寧さを求める場合は、電話や手紙の方が良いでしょう。
件名で弔電のお礼と分かるように記載し、簡潔に感謝を伝えます。
3. お礼の品は基本的に不要
弔電へのお礼としては、**原則として品物を贈る必要はありません。**言葉や手紙で感謝の気持ちを伝えるだけで十分です。
ただし、香典や供花・供物もいただいた場合は、香典返しに含めてお礼の品を贈るのが一般的です。
【勤め先・取引先への具体的な伝え方】
特にビジネス関係の方々へのお礼は、今後の関係に影響するため、より丁寧な対応が求められます。
1. 勤め先(会社・職場)への対応
直属の上司や部署の方々へ:
電話またはメールで一報: 忌引き明けの出社後、まずは直属の上司に直接口頭で、または電話やメールで弔電のお礼と、出社できたことの報告をしましょう。
部署全体へのお礼: 必要であれば、部署の皆様への感謝を伝えるメールを送ったり、菓子折りなどをお渡しして「皆様で召し上がってください」と伝えても良いでしょう。品物を渡す際は、高価なものではなく、皆で分けられる個包装のお菓子などが適しています。
忌明け後の挨拶状: 後日、忌明けの挨拶状を送る場合は、弔電へのお礼の旨も明記します。
会社全体・社長などへ:
会社全体からの弔電や、社長など役職の高い方からの弔電には、忌明け後に改めてお礼状を送るのが丁寧です。
文面には、故人様の生前の会社への貢献や、会社からの温かい配慮への感謝を具体的に盛り込むと良いでしょう。
2. 取引先への対応
代表者・担当者へのお礼状:
弔電をくださった取引先の代表者や担当者には、忌明け後に丁重なお礼状を送るのが基本です。
故人様が生前お世話になったことへの感謝や、今後の変わらぬお付き合いをお願いする旨を記載しましょう。
こちらも品物を贈る必要は基本的にありません。
電話・メールは状況に応じて:
普段から親密なやり取りがある取引先であれば、忌明け前に電話やメールで「ご丁寧な弔電をありがとうございました」と、取り急ぎ一報入れても良いでしょう。
その際も、長話はせず、あくまで簡潔にお礼を伝えます。
【例文】弔電へのお礼状
忌明けの挨拶状に、弔電へのお礼を兼ねる場合の例文です。
例文1:香典・供花・供物もいただいた場合(四十九日後)
拝啓
このたびは亡父○○の葬儀に際しまして
ご多忙の折にもかかわらずご丁重なる弔電を賜り
またご厚志を賜りましたこと深く感謝申し上げます
お陰様をもちまして〇月〇日滞りなく四十九日忌法要を済ませることができました
つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお贈りいたしましたので
ご受納くだされば幸甚に存じます
生前中賜りましたご厚情に厚く御礼申し上げるとともに
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
東京都〇〇区〇〇
〇〇(喪主氏名)
親族一同
例文2:弔電のみいただいた場合(四十九日後)
拝啓
このたびは亡母○○の葬儀に際しまして
ご多忙の折にもかかわらずご丁重なる弔電を賜り
誠にありがとうございました
おかげさまで滞りなく葬儀を済ませることができました
生前中はひとかたならぬご厚情を賜り心より御礼申し上げます
取り急ぎ書中をもちましてご挨拶申し上げます
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
東京都〇〇区〇〇
〇〇(喪主氏名)
まとめ:心からの感謝を、適切な形で伝えよう
ご家族の通夜や葬儀は、喪主やご遺族にとって心身ともに大きな負担がかかるものです。しかし、そんな中でも温かい弔電をくださった方々への感謝の気持ちは、きちんと伝えることが大切です。
焦ってすぐに返事をする必要はありません。四十九日の忌明けを目安に、お礼状や電話、メールなど、相手との関係性や状況に合わせて適切な方法で、あなたの心からの「ありがとう」を届けましょう。
この記事が、大切な方々への感謝の気持ちを伝える一助となれば幸いです。