え、あの油が体に悪いの!?「トランス脂肪酸」って何?避けるべき食べ物と賢い食選び!
「トランス脂肪酸」という言葉、健康情報番組やニュースなどで耳にしたことはありませんか?なんだか体に悪いものらしい…と、漠然としたイメージを持っている方もいるかもしれませんね。
でも、「具体的にどんなものなの?」「どんな食べ物に入っているの?」「どうやって避ければいいの?」と疑問に思うことも多いのではないでしょうか。
実は、私たちの身近な食品に隠れていることがある「トランス脂肪酸」。今回は、ちょっと難しいこの成分について、分かりやすく、そして今日から実践できる賢い食選びのヒントをたっぷりご紹介します!
「トランス脂肪酸」って、いったい何者?
まず、トランス脂肪酸がどんなものか、簡単に説明しますね。
私たちの身の回りにある油(脂肪)には、大きく分けて「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」があります。トランス脂肪酸は、この**「不飽和脂肪酸」の一種**です。
自然界にもごく少量存在するのですが、問題視されているのは、人工的に作られるトランス脂肪酸なんです。
どうやってできるの?
人工的なトランス脂肪酸は、主に以下の2つの方法で生成されます。
油脂を加工する過程でできる:
液体の油(不飽和脂肪酸が多い)に水素を加えて固形にする「水素添加(すいそてんか)」という加工を行う際に生成されます。
マーガリンやショートニングなど、固形の油脂を作るためによく使われる技術です。
植物油を高温で加熱する過程でできる:
植物油を繰り返し高温で加熱する、例えば揚げ物をするときなどにも、ごく微量に生成されることがあります。
つまり、もともと液体だった油を、「使いやすく加工したり」「保存しやすくしたり」する過程で、ちょっと困った成分に変化してしまうことがある、ということなんです。
なぜ「トランス脂肪酸」は問題視されているの?体への影響とは?
体に悪いと言われるけれど、具体的にどんな影響があるのでしょうか?
主に指摘されているのは、以下の点です。
「悪玉コレステロール(LDLコレステロール)」を増やす:
トランス脂肪酸を摂りすぎると、動脈硬化の原因となる「悪玉コレステロール」が増加すると言われています。
「善玉コレステロール(HDLコレステロール)」を減らす:
同時に、体にとって良い働きをする「善玉コレステロール」を減らしてしまう可能性も指摘されています。
これらの影響から、心臓病などの生活習慣病のリスクを高める可能性があるとして、世界中で規制や表示義務化が進められています。
どんな食べ物に隠れてる?トランス脂肪酸が含まれる食品
人工的に作られるトランス脂肪酸は、私たちの身近な様々な食品に含まれている可能性があります。
マーガリン、ファットスプレッド:
パンに塗るマーガリンや、パン生地の材料などに使われます。
ショートニング:
パンやケーキ、クッキー、パイなどの生地をサクサクにするために使われる固形油脂です。
加工油脂を使用したパンや洋菓子:
市販のパン、ケーキ、ドーナツ、クッキー、パイ、クロワッサンなどに使われていることがあります。
揚げ物、フライドポテトなど:
植物油で揚げられたスナック菓子やファストフードのフライドポテトなども、油の使い回しや加熱温度によっては微量に含まれる可能性があります。
インスタントラーメン、冷凍食品の一部:
加工油脂が使われている場合があるため、注意が必要です。
ただし、日本においては、食品に含まれるトランス脂肪酸の量が、欧米諸国に比べて少ないと言われています。また、多くの食品メーカーが、トランス脂肪酸の低減に取り組んでいますので、過度に心配する必要はありません。
賢い食選び!トランス脂肪酸を「減らす」ためのヒント
完全にゼロにするのは難しいですが、賢い食選びでトランス脂肪酸の摂取量を減らすことは十分可能です。
1. 油脂選びにちょっと気を配る
マーガリンよりバターを選ぶ:
パンに塗るなら、マーガリンよりもバターを選ぶ方が、トランス脂肪酸の摂取量を抑えられます。
ショートニング不使用のパンやお菓子を選ぶ:
成分表示を確認して、「ショートニング」の記載がないものを選ぶ、または手作りにチャレンジするのも良いでしょう。
2. 食材の成分表示をチェックする習慣を
日本の食品表示では、トランス脂肪酸の表示義務はありませんが、「ショートニング」や「植物油脂」「加工油脂」などの表示がある場合は、含まれている可能性があります。
最近では、「トランス脂肪酸フリー」や「トランス脂肪酸〇%以下」と、自主的に表示している製品もありますので、選ぶ際の参考にしてみましょう。
3. 外食や加工食品に偏りすぎない
ファストフードの揚げ物や、市販のパン・お菓子ばかりに偏らず、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
自炊の際には、油を使いまわしすぎず、新鮮な油を使うように意識するのも良いでしょう。
4. 全体の「脂質」バランスを意識する
トランス脂肪酸だけを気にするのではなく、飽和脂肪酸(肉の脂身やバターなど)も含め、全体の脂質の摂りすぎに注意することが大切です。
魚に含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)や、オリーブオイルなどに含まれるオレイン酸などの良質な油を積極的に摂るように心がけましょう。
まとめ:恐れすぎず、賢くバランスの良い食生活を!
「トランス脂肪酸」は、聞き慣れない言葉で不安に感じるかもしれませんが、その正体と体への影響、そしてどんな食品に含まれているかを知れば、必要以上に恐れることはありません。
日本の食品におけるトランス脂肪酸の平均摂取量は、健康への影響が懸念されるレベルよりもはるかに低いと言われています。
大切なのは、特定の成分だけを過剰に気にするのではなく、全体の食事のバランスを考え、偏りのない健康的な食生活を心がけることです。
今日からできる小さな工夫で、あなたも賢い食選びを始めてみませんか?