「通夜、どうする？」欠席時の対応からマナーまで、知っておきたいこと
「急な訃報が届いたけれど、通夜にはどうしても行けない…」
「参列したい気持ちはあるけれど、遠方で無理そう…」
予期せぬ訃報は突然訪れるもの。大切な方が亡くなられた際、通夜に参列したい気持ちはあっても、仕事や家庭の事情、体調、遠方といった理由で、どうしても足を運べないこともあるでしょう。そんな時、「どう対応すれば失礼にならないだろう？」「どんな言葉遣いをすればいいの？」と、戸惑ってしまう方は少なくありません。
お悔やみの気持ちを伝えることは、故人への感謝とご遺族への配慮を示す大切な行為です。この記事では、通夜に参列できない場合の**「適切な対応」や「知っておくべきマナー」**について、言葉遣いの例を交えながら徹底的に分かりやすく解説します。もしもの時に慌てないよう、事前に知識を身につけて、故人を偲びご遺族に寄り添う気持ちを伝えられるようにしましょう。
なぜ通夜に参列できない？欠席の理由と心構え
通夜に参列できない理由は様々ですが、ご遺族に失礼なく対応するためには、まず自分の状況を整理し、どう対応すべきかを考えることが大切です。
主な欠席理由の例:
遠方からの移動が困難: 交通手段や時間的な制約。
仕事の都合: 外せない会議、出張、業務など。
体調不良: 自分自身や家族の体調が悪く、参列が難しい。
家庭の事情: 小さい子供がいる、介護があるなど。
すでに弔問を済ませた: 訃報を受けてすぐに弔問に伺った場合など。
心構え:
参列できないことは仕方ありませんが、その分、丁寧な対応を心がけましょう。
ご遺族は多忙を極めています。配慮の気持ちを忘れずに、簡潔かつ心を込めて連絡することが重要です。
通夜に参列できない時の「適切な対応」とタイミング
通夜に参列できないと分かったら、できるだけ早く、そして適切に対応することが大切です。
1. まずは電話で連絡を（可能であれば）
訃報を受けたら、まずはお悔やみの言葉と共に通夜欠席の旨を伝えます。 連絡は、ご遺族が落ち着いていそうな時間帯を選び、簡潔に済ませましょう。
電話が難しい場合は、メールやメッセージアプリでも構いませんが、正式なお悔やみは別の方法で行うことを検討しましょう。
伝えること:
お悔やみの言葉
通夜に参列できない旨とその理由（簡潔に）
弔電、供花、香典などをどうするか（具体的な手配方法）
後日弔問に伺う意向があるか
（相手が友人・知人の場合）喪主や親族の体調を気遣う言葉
2. 香典をどうするか？渡す方法とマナー
通夜を欠席する場合でも、香典を渡すのが一般的です。方法はいくつかあります。
代理人に託す:
家族や親しい友人など、参列する人に香典を託します。
代理人には、あなたの氏名と「ご本人様よりご香典を預かって参りました」と伝えてもらいましょう。
香典袋の表書きはあなたの名前を書き、代理人の名前は書きません。
現金書留で郵送する:
最も丁寧な方法の一つです。ご遺族の負担にならないよう、通夜や葬儀が終わってから、落ち着いた頃合いを見て郵送しましょう。
送るもの:
香典（現金）: 香典袋に入れ、新札は避け、古いお札を使うか軽く折り目をつけて包みます。
お悔やみの手紙（添え状）: 参列できない理由、お悔やみの言葉、故人との思い出などを簡潔に綴ります。便箋は白い無地のものを選び、封筒も二重でないもの（不幸が重なることを連想させないため）を選びます。
後日、弔問に伺う際に持参する:
通夜や葬儀に参列できない場合でも、後日落ち着いた頃に弔問に伺うことができれば、その際に香典を持参するのが最も気持ちが伝わります。事前に弔問の許可を得てから伺いましょう。
タイミング: 弔問は四十九日を過ぎてから、または初七日以降でご遺族の都合が良い時に伺うのが一般的です。
3. 弔電・供花・供物の手配
香典以外にも、お悔やみの気持ちを伝える方法はあります。
弔電（ちょうでん）:
通夜・告別式どちらにも間に合うように、速やかに手配します。葬儀社の担当者や斎場に確認し、故人の氏名、喪主の氏名、斎場の住所を正確に伝えます。
弔電には、お悔やみの言葉と、故人への感謝の気持ちなどを綴りましょう。
供花（きょうか・くげ）:
通夜や告別式の会場を飾る花です。スタンド花やアレンジメントなどがあります。
葬儀社や斎場に直接手配するか、葬儀社と提携している花屋を通じて手配します。事前に色や種類、名札の書き方などを確認しましょう。
供物（くもつ）:
線香、ろうそく、お菓子、果物などが一般的です。
供花と同様に、葬儀社を通じて手配するか、直接持ち込む場合は事前にご遺族や葬儀社に確認しましょう。
通夜欠席時の「振る舞い方・言葉遣い」の基本
ご遺族に接する際は、細やかな配慮が必要です。
1. 訃報を受けた時の言葉遣い
まずはお悔やみの言葉: 「この度は、誠にご愁傷様でございます。」「心よりお悔やみ申し上げます。」
不祝儀なので「おめでとう」は厳禁。
重ね言葉は避ける: 「重ね重ね」「度々」「いよいよ」など、不幸が続くことを連想させる言葉は避けます。
忌み言葉を避ける: 「ご存命中の」「生きていた頃」「死亡」「死ぬ」など、直接的な表現や縁起の悪い言葉は避けます。「ご逝去」「ご永眠」「お亡くなりになる」などの婉曲表現を使います。
「頑張って」は避ける: ご遺族は心身ともに疲弊しています。「頑張って」は負担になることがあるため、「お辛いことと存じますが、どうぞご無理なさらないでください」「お力落としのことと存じますが、どうかご自愛ください」といった気遣いの言葉にしましょう。
2. 通夜欠席を伝える際の言葉遣い
「大変申し訳ございませんが、〇〇（簡潔な理由）のため、通夜に伺うことができません。」
「心苦しいのですが、〇〇の都合により、弔問叶いませんことをお許しください。」
「せめてものお気持ちばかりではございますが、〇〇（香典、弔電など）をお送りさせていただきます。」
3. 後日弔問に伺う際の言葉遣い
「この度は、ご愁傷様でございました。遅ればせながら、お悔やみ申し上げます。」
「伺うのが遅くなりまして、大変申し訳ございませんでした。」
ご遺族の体調を気遣う言葉を忘れずに添えましょう。
まとめ：心からの追悼と寄り添う気持ちを大切に
通夜に参列できない場合でも、故人への追悼の気持ちとご遺族への配慮を伝える方法はたくさんあります。
訃報を受けたら、速やかに連絡を取り、香典や供花、弔電など、ご自身の状況に合った方法で心を込めてお悔やみを伝えましょう。そして、言葉遣いや振る舞いにも気を配り、ご遺族に寄り添う気持ちを大切にすることが何よりも重要です。
もしもの時に慌てず、適切な対応ができるよう、この記事が皆様のお役に立てば幸いです。