一周忌のお供え、どうする? 香典との違いから相場、選び方まで徹底解説
故人が亡くなってから一年。「一周忌」は、遺族にとって故人を偲び、改めて供養を行う大切な節目です。この法要に招かれた際、「お供えは何がいいかな?」「香典も別に持っていくべき?」「相場はどれくらい?」など、気になることがたくさん出てきますよね。
特に、ご遺族への配慮や、マナーに沿った準備をしたいと考えるのは当然のことです。この記事では、一周忌に際して贈る「お供え」の選び方から相場、そして「香典」との関係性や、当日の渡し方まで、あなたの疑問を解消し、安心して一周忌に臨めるよう徹底的に解説します。
「お供え」と「香典」の違いを理解しよう
一周忌に際して、よく混同されがちなお供えと香典。それぞれの意味と目的を理解することが大切です。
お供え(御供物):
目的: 故人への供養の気持ちを表し、仏様や故人の霊前に捧げるものです。
内容: 食べ物や飲み物、線香、花など、故人が生前好きだったものや、法要で皆で分けられるものが選ばれます。
香典(御仏前):
目的: 故人の霊前に供える金銭であり、遺族が法要を行うにあたっての費用(お布施、会食代、引き物など)を一部負担するという、遺族への経済的な援助の意味合いが強いです。
内容: 現金。通常は「御仏前」と書かれた不祝儀袋に入れて持参します。
つまり、お供えは故人への気持ち、香典は遺族への気持ちと考えると分かりやすいでしょう。
一周忌のお供え、何を選ぶ? 喜ばれる品と相場
一周忌のお供えは、故人を偲び、ご遺族が負担なく受け取れるものが喜ばれます。
1. 喜ばれるお供えの品
消えもの(消費できるもの)が基本: 後に残らず、ご遺族の負担にならないものが最も適しています。
お菓子: 個包装で日持ちのする焼き菓子、ゼリー、羊羹などが定番です。故人が生前好きだった和菓子や洋菓子も良いでしょう。
果物: 盛り合わせにしたものが一般的です。傷みにくい柑橘類やリンゴなどが選ばれます。
飲み物: 日本茶やコーヒー、紅茶のセットなどが喜ばれます。アルコール類は故人が好きだった場合を除き、避けるのが無難です。
線香・ろうそく: 日用品として消耗されるものであり、仏様や故人の供養に直接つながるため、非常に適しています。煙の少ないタイプや、香りの良いものなども人気です。
供花(お花): 白や淡い色合いの菊、ユリ、カーネーションなどが一般的です。トゲのある花や香りの強すぎる花は避けます。花屋さんに「一周忌のお供え」と伝えて用意してもらいましょう。
故人が生前好きだったもの: 故人を偲ぶ気持ちが伝わりますが、日持ちや遺族の負担にならないかを考慮しましょう。
2. お供えの相場
お供えの相場は、贈る相手との関係性によって異なりますが、3,000円〜10,000円程度が一般的です。
友人・知人の場合: 3,000円〜5,000円
親戚の場合: 5,000円〜10,000円
香典とは別に持参する場合、香典の金額と合わせてバランスを考慮しましょう。例えば、香典を10,000円包むなら、お供えは3,000円〜5,000円程度にするなどです。
一周忌の「香典」はいくら? 表書きやマナー
一周忌の香典は、亡くなってから年数が経っているため、不祝儀袋の表書きは「御仏前」と記載します。
1. 香典の相場
関係性によって相場は異なりますが、故人への供養の気持ちと、遺族への援助の意味合いを込めて包みます。
友人・知人の場合: 5,000円〜10,000円
親戚の場合: 10,000円〜30,000円(故人との関係性や地域性、法要後の会食に参加するかどうかで変動)
2. 香典袋の選び方と書き方
水引: 「結び切り」または「あわじ結び」の水引(黒白または双銀)を選びます。
表書き: 「御仏前」と書きます。これは、故人が仏様になったという意味合いがあります。四十九日までは「御霊前」としますが、一周忌以降は「御仏前」です。
氏名: 水引の下に、フルネームを薄墨で書きます。
お札の向き: 新札は避け、古いお札を準備します。お札は裏向き(人物が描かれていない方)、なおかつ肖像画が袋の底側になるように揃えて入れます。
袱紗(ふくさ): 香典袋は袱紗に包んで持参するのがマナーです。
お供え・香典の渡し方と注意点
法要当日に、スマートに気持ちを伝えるための渡し方と注意点です。
1. 渡し方
受付で渡す: 受付がある場合は、まず受付で「この度は、一周忌のご法要にお招きいただき、誠にありがとうございます。心ばかりでございますが、御仏前でございます。」などと一言添えて、袱紗から出して両手で香典を渡します。
お供えを渡す場合: お供えは、香典と一緒に受付で渡すか、施主(遺族の代表者)に直接「御供物でございます」と伝えて渡します。台がある場合はそこに置かせてもらいましょう。
挨拶の言葉: 「本日はお招きいただきありがとうございます。心ばかりではございますが、御仏前(お供え)をお供えください。」など、簡潔に丁寧な言葉を添えましょう。
2. 注意点
「お供え」と「香典」は別々に: それぞれの意味合いが異なるため、基本的に別々に用意し、別々のタイミング(同じ受付でも)で渡すのが丁寧です。
「重ね言葉」や「忌み言葉」を避ける: 「重ね重ね」「度々」などの重ね言葉や、「追って」「続く」などの忌み言葉は、不幸が重なることを連想させるため避けましょう。
当日の服装: 準喪服(ブラックスーツ、ブラックフォーマル)で参列するのが基本です。
遺族の負担を考慮: 大量の供物や、持ち帰りにくいもの、傷みやすいものは避けましょう。
まとめ:心からの供養の気持ちを伝える一周忌
一周忌は、故人を偲び、遺族に寄り添う大切な機会です。お供えも香典も、故人への感謝と遺族への配慮の気持ちを表すものです。
お供えは「消えもの」を中心に、3,000円〜10,000円程度が目安。
香典の表書きは「御仏前」、相場は関係性による。
お札は裏向き、肖像画が下になるように入れる。
袱紗に包んで持参し、受付で丁寧に渡す。
これらのマナーを踏まえ、心からの供養の気持ちと、ご遺族への温かいお心遣いを伝えてくださいね。