漏電ブレーカとは?|あなたの命を守る重要な働きと仕組みを解説
「漏電ブレーカ」は、家庭やオフィス、工場などの電気設備に必ず設置されている、私たちの安全を守るために欠かせない装置です。しかし、その役割や仕組みを詳しく知っている方は少ないかもしれません。今回は、漏電ブレーカがどのような働きをするのか、わかりやすく解説します。
漏電ブレーカの役割と仕組み
漏電ブレーカとは、漏電が発生した際に自動的に電気を遮断する装置のことです。漏電とは、電気が本来通るべき道(電線)から外れて、外部に漏れてしまう現象のこと。この漏電が起こると、感電や火災の原因となるため、非常に危険です。
漏電ブレーカは、**「入ってくる電気」と「出ていく電気」**の量を常に監視しています。正常な状態では、この2つの電気の量は同じになります。
しかし、漏電が発生すると、入ってくる電気の量に対して、漏れた分の電気が出ていかないため、両者のバランスが崩れます。漏電ブレーカはこのわずかな差を検知すると、瞬時に電気を遮断し、感電や火災を未然に防ぐのです。
漏電ブレーカと普通のブレーカの違い
分電盤には、漏電ブレーカの他にも、いくつかの種類のブレーカが設置されています。
アンペアブレーカ(サービスブレーカ)
契約している電気の容量を超えて使用すると作動します。
配線用遮断器(安全ブレーカ)
家電の使いすぎなどで回路に流れる電流が過剰になると作動し、ショートや火災を防ぎます。
漏電ブレーカ(ELB)
漏電を検知した際に作動します。
漏電ブレーカは、過電流を検知する機能も備えている製品が多いですが、その最大の役割は漏電を検知して遮断することです。これが、他のブレーカとの決定的な違いです。
漏電ブレーカが落ちる原因と対処法
漏電ブレーカが落ちる(トリップする)主な原因は、以下の2つです。
実際に漏電が起きている
家電の故障や、電線の損傷などにより、実際に漏電している場合です。
機器の故障や老朽化による誤作動
漏電ブレーカ自体の故障や、経年劣化により、漏電していないのに作動してしまうことがあります。
漏電ブレーカが落ちた場合の対処法
まず落ち着いて状況を確認する
どのブレーカが落ちているかを確認します。漏電ブレーカが落ちている場合は、感電や火災のリスクがあるため、むやみに触らないようにしましょう。
すべての電気製品のコンセントを抜く
漏電の原因となっている機器を特定するために、すべての電気製品のコンセントを抜きます。
安全ブレーカを一つずつ上げていく
漏電ブレーカを上げた後、各回路の安全ブレーカを一つずつ上げていきます。
漏電している回路を特定する
ある特定の安全ブレーカを上げたときに再び漏電ブレーカが落ちたら、その回路に接続されている機器が原因です。
専門の業者に相談する
原因となっている機器や回路を特定できたら、自分で修理しようとせず、速やかに専門の電気工事店に相談しましょう。
漏電ブレーカがない場合のリスク
古い住宅などでは、漏電ブレーカが設置されていない場合もあります。漏電ブレーカがない場合、漏電が発生しても自動的に電気が遮断されないため、感電や火災のリスクが非常に高くなります。
法律でも、一定の条件を満たす建物には漏電ブレーカの設置が義務付けられています。ご自宅に漏電ブレーカがない、あるいは古いものが設置されている場合は、安全のためにも新しいものへの交換を検討しましょう。