もしもの時に命を守る!災害時の「備蓄品リスト」と準備の鉄則
自然災害が多い日本では、「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、事前の備蓄が命を守る重要なカギとなります。特に、電気・ガス・水道などのライフラインが止まり、物流がストップする発災後3日間、そして支援物資が本格的に届き始めるまでの約1週間を自力で乗り切るための準備が必要です。
ここでは、**「非常用持ち出し袋」と「家庭内備蓄品」**に分けて、本当に必要なアイテムと備蓄の鉄則を解説します。
1. 避難時に命を守る「非常用持ち出し袋」(一次持ち出し品)
地震や火事などが発生し、すぐに避難しなければならない時に、**最低限必要なもの(約3日分)**をリュックサックなどに詰めて、玄関などすぐに持ち出せる場所に置きましょう。重さは女性で10kg、男性で15kg程度が目安です。
カテゴリ | 必須アイテムとポイント |
【水・食料】 | 飲料水(500ml〜1L、調理不要なもの)、調理不要な非常食(乾パン、カロリーメイト、ゼリー飲料など) |
【貴重品・情報】 | 現金(小銭も多めに、公衆電話用)、身分証明書のコピー(免許証、保険証)、通帳のコピー、緊急連絡先メモ |
【安全・光】 | 懐中電灯(ヘッドライトが両手が空いて便利)、携帯ラジオ(手回し充電式がおすすめ)、予備の電池、ホイッスル(救助要請用) |
【衛生・健康】 | 常備薬・持病の薬、お薬手帳のコピー、救急セット(絆創膏、消毒液、包帯)、マスク、ウェットティッシュ、携帯用簡易トイレ |
【防寒・衣類】 | 軍手・革手袋(がれき対策)、防寒アルミシート、着替え(下着含む)、レインコート(雨具・防寒具兼用) |
2. 復旧までの生活を支える「家庭内備蓄品」(二次備蓄品)
自宅や避難所での生活が長期化することを見据え、約1週間分を目安に、日常的に使いやすい形で備蓄しておきましょう。これが**「ローリングストック」**の考え方です。
① 水と食料:1週間分を確保する
水は生命線です。大人1人あたり1日3Lを目安に、最低1週間分を備蓄しましょう。
アイテム | 備蓄量の目安(1人・1週間) | 備蓄のポイント |
飲料水 | 21L(3L×7日) | 5年保存水や、普段飲んでいるペットボトル水を多めに備蓄。 |
非常食 | 21食分(3食×7日) | アルファ米、レトルト食品、缶詰(肉・魚・野菜)、フリーズドライ食品など、主食・主菜・副菜のバランスを意識。 |
栄養補助 | 菓子類、ビタミン剤など | チョコレートや飴など、手軽にカロリーを補給でき、精神的な安らぎになるものを。 |
調理用 | カセットコンロとガスボンベ(予備6本程度) | ライフライン停止時に温かい食事が可能に。ラップやアルミホイルは食器の代用にも。 |
② 衛生用品と生活必需品:不便さを軽減する
水が使えなくても清潔を保ち、ストレスを軽減するためのアイテムです。
アイテム | 備蓄のポイント |
簡易トイレ | 1人あたり1日5回を目安に。水洗トイレが使えない時の必需品。 |
トイレットペーパー・ティッシュ | 通常のストックを多めに。トイレットペーパーは芯を抜いて潰すとコンパクトに。 |
生理用品・おむつ | 家族構成に合わせた専用品は多めに。特に女性用、乳幼児用、介護用品は忘れずに。 |
口腔ケア用品 | 歯ブラシ、水不要の液体ハミガキや口腔ケアシート。口内の清潔は体調管理に直結します。 |
ポリ袋 | 大・中・小のサイズを大量に。ゴミ袋、簡易的な雨具、バケツへの装着など、多用途に使えます。 |
3. 備蓄の鉄則:「ローリングストック」で鮮度を保つ
せっかく備蓄しても、賞味期限切れでは意味がありません。**「ローリングストック法」**を活用して、無理なく賢く備え続けましょう。
ローリングストックの具体的な実践方法
「普段使い」の食品を少し多めに購入する: 非常食だけでなく、缶詰、レトルトカレー、パスタ、お菓子など、日常で食べるものを多めにストックします。
古いものから消費する: 賞味期限が近いものから日常の食事で消費します。
消費した分を買い足す: 食べた分だけ新しいものを買い足し、常に一定量のストックを維持します。
この習慣により、特別な意識をしなくても、常に新鮮で食べ慣れたものが備蓄されている状態を保てます。**「食べ慣れたもの」**は、災害時のストレス軽減にも繋がります。
4. 家族のための「パーソナル備蓄」を忘れない
共通の備蓄品以外に、家族一人ひとりに必要なアイテムのリストを作成し、小さなポーチなどにまとめておくと万全です。
赤ちゃんがいる場合: 液体ミルク、紙おむつ、おしりふき、母子健康手帳のコピー。
高齢者がいる場合: 補聴器の予備電池、入れ歯ケア用品、とろみ調整食品、大人用おむつ、使い慣れた杖。
ペットがいる場合: 療法食、水、排泄用品、リード。
災害はいつ起こるかわかりません。まずは**「非常用持ち出し袋」を今すぐ点検**し、その後「ローリングストック」で1週間分の家庭内備蓄を始めましょう。あなたの安心感と、家族の安全に直結する重要な行動です。